円領域分子法について・横分子蛇腹法について

折り紙設計法の考案者としてのコメント




[2162] 円領域分子法について(1) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 00:27

どのようなことをやるにしても、すれちがいというものはあるのだと思います。
あまり、自分の作品について主張をしたいものではないのですが、ここ数年、円領域分子法の基本的原理を私以外の人も同時期に開発していたとか、私以外の人が開発したというような記事をしばしば目にするようになりました。
自分の開発した技法を多くの人に自由に使っていただくことが私の最大の目標の一つですが、自分の開発したことを他の人がやったこととして広められるのは、それはちょっと、、、と感じたりするわけです。
もし、折紙設計に関して不特定多数の人に公表する予定の方がこの掲示板を読んでおられましたら、これから円領域分子法ができるまでのいきさつについて簡単なまとめを書きますので、特に円領域分子法に関しては事実、特に円領域分子法に関する出版物の時期に即した書き方をしていただくようお願いします。

まあ、このようなローカル掲示板で書いても意味が無いような気はするわけですがいちおう主張だけはしておきたいと思います。

[2163] 円領域分子法について(2) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 00:40

円領域分子法といっても折紙設計をなされない方には何のことかわからないと思います。
左図が円領域分子法の簡単な例です。
左図のような円と帯を用いた展開図の表示は、現在、世界中の折り紙関係のホームページで見られますので、円領域分子法という名前はしらなくても、左図のような円図を見たことがある人は多いと思います。

[2164] 円領域分子法について(3) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 00:59

円領域分子法が世界ではじめて発表されたのは、1991年10月5日発行の折紙探偵団新聞第十号です。この号の表紙ページに私が書いた実用折紙設計法NO.4という記事の中で、左図と以下の記載が掲載されています。

記載内容:折りたい物の形を図2の様に線で表すことができれば「頂点の領域」を円で近似すること(図3)で自由に設計図が書けます。この時折角同士の位置関係や折角を用紙の辺上に配置するか、用紙の内部に配置するかといったことが簡単に調節出来ます。図3より直ちに折紙分子による設計が実行できます(図4)

[2165] 円領域分子法について(4) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 01:23

折紙探偵団新聞第十号の記事は簡単な原理を紹介したものですが、それより詳しい解説として、私が1994年6月25日発行の「をる No.5,p92-95」に書いた、折り紙解体新書第1回があります。
左図はその記事の図の一部です。

[2166] 円領域分子法について(5) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 02:10

1991年10月5日発行の折紙探偵団新聞第十号から1994年6月25日発行の「をる No.5,p92-95」発刊時期までに円領域分子法を現在使われている方式、すなわち
(1)折りたい物の形を樹状図で表し、
(2)樹状図の枝として表されるカドを円で表し
(3)接する円の中心を結んで折紙分子を発生させる
という手順として実行できることを、私以外の方が報告した例はありません。

また、円領域分子法はいくつかの、当時としては新しい折紙技法が組み合わされて出来ており、それらの、どの技法が欠けても、うまく実行することが出来ないものですが、それらの概念の中の、樹状図、領域円、領域帯などはすでに述べましたように、1991年10月5日発行の折紙探偵団新聞に私が書いた記事が世界初のもので、同時期に他の方が同様の概念を発表されたことはありません。
また一値性については、1991年8月5日発行の折紙探偵団新聞に私が書いた記事が世界初のもので、やはり、同時期に他の方が同様の概念を発表されたことはありません。

[2167] 円領域分子法について(6) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 02:37

1991年から1994年ころの日本で、折紙設計に取り組んでいたのは、極少人数で、そのような状態では、誰がどんなことをやったかということも非常に明快に述べられていたので、特に問題が生じることも無かったのですが、最近のように、当時の事情を知らない人や、外国の方が関わってくるようになりますと、変な意図は無くとも情報が混乱するということはしかたがないのでしょうね。

ただ、自分の行ったことを、他人が行ったこととして扱われるのは、物を作る人間としてつらいものがありますので、もしも折紙設計法について不特定多数の人に公表する予定の方がいらして、「円領域分子法は私以外のものも同時期に開発した」とか、「円領域分子法は私以外のものが開発した」と書かれるのでしたら、可能でしたならば、その根拠も書いていただきたいなあ、と思ったりしております。

[2168] 円領域分子法について(7) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 02:54

もちろん、現在の円領域分子法はいろいろな方の工夫が入っており、いろいろな応用もなされていますので、円領域分子法はそれらの工夫、応用をされた多くの方々の共有の開発物だと思うのです。
ただ、だからといって、誰がどのようなことをやったかということをごちゃ混ぜにすべきではないとも思うのです。
その意味で、円領域分子法の基本的な原理の説明やそれを図にしたに過ぎない、[2163]のような図も、誰でも自由に使えるべきだとは思うのですが、それらの説明やそれに類する図を私以外のものが開発したとして公表することはやめていただきたいと思ったりはするわけです。

[2169] 横分子蛇腹法について(1) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 13:05

横分子蛇腹法についても、それがはじめて発表された状況について簡単にまとめてみたいと思います。
横分子蛇腹法といっても、よほど折紙設計のマニアの方でないと何のことかわからないでしょうが、左図(これは、この掲示板の[668]の図を再掲載したものです)のように蛇腹折りの展開図を、長方形的な横分子と帯領域であらわしたものです。

このような横分子蛇腹法の表示方法は、現在では世界のあちこちの蛇腹折りを扱っているサイトで見られるようになりましたので、横分子蛇腹法という呼び方は聞いたことが無くても、横分子蛇腹法の図は見たことがあるという方も多いと思います。

[2170] 横分子蛇腹法について(2) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 13:13

横分子蛇腹法については、現在誰が最初に行ったのかということが話題になることがほとんど無いため、円領域分子法のような混乱があるわけではないのですが、将来混乱が起きうる程度にまで普及しつつあるので、一応、ここで書いておきたいと思います。

[2171] 横分子蛇腹法について(3) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 13:55

横分子蛇腹法で、「長方形状の横分子と帯領域を組み合わせることによって折紙設計ができること」が世界ではじめて示されたのはこの掲示板の[651]番目の
ジャバラ系折線構成のための折紙設計システム(1) 投稿者:めぐろ 投稿日:2002/09/06(Fri) 22:59」
に始まる、一連の投稿によってです。

まあ、出版物ではなく個人の掲示板でのことなので、その点、非常につらいものがありますが、、、とりあえず主張だけはしておきます。

[2172] 横分子蛇腹法について(4) 投稿者:めぐろ 投稿日:2007/05/06(Sun) 14:46

横分子蛇腹法について誤解のないように以下のことを書いておきます。

現在、蛇腹系の展開図から多くの作品が折られていますが、それらに対する横分子蛇腹法の貢献は限定的です。

今日、蛇腹系のすばらしい作品が多数存在するのは、各創作者の独自のテクニックによるところが多大で、多くの蛇腹系の複雑な作品は横分子蛇腹法とは無関係に創作されています。

そもそも蛇腹使いのかたの独自のテクニックによる複雑な作品が存在していたからこそ、その解釈方法の中から横分子蛇腹法が生まれたわけですし、、、。
(蛇腹の展開図を長方形横分子と帯領域に分割すること自体は通常の横分子分解をすれば普通に結果として出てくることなので横分子蛇腹法の設計方法を発表する以前からしばしば行なっています。)

このように横分子蛇腹法は蛇腹創作者の方の独自技法による作品の後追いとして発生したものですが、設計方法としては使いやすいもので、また蛇腹の統一的な解釈とも直結しているため、横分子蛇腹法によって、いろいろな作品を創作する方も徐々に増えてきているようです。


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