量子化

量子化横分子等高数法の提案。近似を使った量子化の方法。




[1129] 新設計法 量子化横分子等高数法について 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 13:31

ここ数日の折紙論の発展に対応して、新しい設計法として 「量子化横分子等高数法」 を提案したいと思います。

***** 量子化横分子等高数法のあらまし *****
複数の多角形を考える。ここで全ての多角形に対して共通の単位長さtを考える。それぞれの多角形においては、全ての辺の長さが、tの整数倍になっており、その全外周上に矛盾なく等高数が定義できるようになっているものとする。このとき、各多角形を横分子として、隙間なく平面上に敷き詰めたものは折り畳み可能である。このことを利用して折紙設計を行なう。
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要するに「用紙を長さが整数の線分で適当に分割して、それに等高数が矛盾なく付けば、折り畳みできます。」ということです。

すでにお気づきかとは思いますが、「横分子蛇腹法」は「量子化横分子等高数法」に完全に含まれます。

[1130] 量子化横分子等高数法の応用(1) 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 13:40

この図は折り畳み可能です。

[1131] 量子化横分子等高数法の応用(2) 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 13:45

この図も折り畳み可能です。

[1132] 量子化横分子等高数法の応用(3) 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 13:50

この図も折り畳み可です(以下無限に続く)。

[1133] 無題 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 14:01

[1132] はフラクタル的なものを折るのに使ったら面白いかも知れない。

[1134] 無題 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/28(Fri) 14:28

[1132] の実際の折り線は等高数が0と1の繰り返しになっている関係でフラクタルもどきにしかなっていないが、等高数をフラクタル的に変えれば、折線ごとフラクタルになるかもしれない。

[1135] 折紙設計における誤差の取り扱い 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/29(Sat) 15:33

展開図上の折線の長さに関して、折りやすさを重視する場合などに、よく、正しい値よりも少しずれても、折り出しやすい長さをとる場合があります。
この誤差を無視できる根拠として、「多少の誤差は折っていれば吸収される」ということが言われることが多い様です。
もちろん実用上はこれで十分な理由なわけですが、折紙設計や解析などの作業をする場合は、折線の整合性ということは非常に重要なので、より簡明な根拠がほしくなります。
そこで、非常に単純な話なのですが、折紙設計や解析において誤差を含んだ表現を使用する場合の基準を考えてみました。

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誤差を含んだ表現を使用する場合の基準
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展開図上において誤差を含んだ部分があったとしても、その誤差を取り除くための修正作業が局所的な領域内(例えば特定の分子内とかね)だけですむ場合、誤差を含んだ部分は全体的な折線の整合性には影響を与えない。したがって安心して誤差を含ませたまま使用できる。
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以上のことを考えますと、折紙設計において、誤差がかなり含まれても、実はほとんどの場合、理論的な整合性は保たれたままで、ぜんぜん困らないということが分かります。

[1136] 角二等辺三角形分子の量子化 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/29(Sat) 16:08

左図のように直角二等辺三角形分子の a:b は 2+ルート2:1 なので、辺長の量子化ができなそうですが、設計上の技法で多少の誤差はぜんぜんOKですので、そういう意味からは、いくらでも量子化できます。
以下は 2+ルート2:1 に近い比です。aが100以下で、誤差がプラスマイナス0.2以内のものです。ただ、誤差の絶対値が0.1を超えると、折りにくくなってくるみたいです。
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3 : 0.879 ,  4 : 1.172 ,  7 : 2.050 ,  10 : 2.929 ,
13 : 3.808 ,  14 : 4.101 ,  17 : 4.979 ,  20 : 5.858 ,
21 : 6.150 ,  24 : 7.029 ,  27 : 7.908 ,  31 : 9.080 ,
34 : 9.958 ,  37 : 10.837 ,  38 : 11.123 ,  41 : 12.009 ,
44 : 12.887 ,  45 : 13.180 ,  48 : 14.059 ,  51 : 14.938 ,
54 : 15.816 ,  55 : 16.109 ,  58 : 16.988 ,  61 : 17.866 ,
62 : 18.159 ,  65 : 19.038 ,  68 : 19.918 ,  72 : 21.088 ,
75 : 21.967 ,  78 : 22.846 ,  79 : 23.139 ,  82 : 24.017 ,
85 : 24.896 ,  86 : 25.189 ,  89 : 26.067 ,  92 : 26.946 ,
95 : 27.829 ,  96 : 28.118 ,  99 : 28.996

[1138] 実用できそうな直角二等辺三角形分子の量子化 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/29(Sat) 16:43

[1136] の比から、誤差の絶対値が0.1以内のものを選んで、整数比であらわすと、以下のようになります。

7 : 2 ,
10 : 3 ,
17 : 5 ,
24 : 7 ,
27 : 8 ,
31 : 9 ,
34 : 10 ,
41 : 12 ,
48 : 14 ,
51 : 15 ,
58 : 17 ,
65 : 19 ,
68 : 20 ,
75 : 22 ,
82 : 24 ,
89 : 26 ,
92 : 27 ,
99 : 29

[1140] ツルの量子化 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/29(Sat) 18:54

[1137]の直角二等辺三角形分子を、a:b を 7:2 として量子化したものを使って作ったツルです。

22.5度系なら何でも量子化できるみたいです。

[1141] 誤差 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/29(Sat) 19:45

辺長が無理数の比をもった分子を量子化する際に重要なことは、誤差をつぶすとしたら、それが局所的に限定された折線だけでできること(これは、誤差をつぶすそうとしたらつぶせる方法があるというだけの話で、実際に折る場合は当然誤差なんかいちいちつぶすしたりは普通しない。面倒だし、、、)。

「誤差があることが問題ではない。もし問題があるとすれば、誤差をコントロールするすべを知らないということが問題なのだ。」なんてね、、、。

誤差をコントロールする見込みがあるんだったら、誤差はバシバシつかったほうがおもしろいと思います。

[1144] 22.5°系量子化 投稿者:タト 投稿日:2003/03/29(Sat) 23:54

>誤差をつぶすとしたら、それが局所的に限定された折線だけでできること(これは、誤差をつぶすそうとしたらつぶせる方法があるというだけの話で、実際に折る場合は当然誤差なんかいちいちつぶすしたりは普通しない。面倒だし、、、)。

まったく同感です。必ず出来るというやり方があれば自信を持って使えますよね…。

左図:
[1140]の如く5√2=7と仮定、(tan22.5°を1/2.5と仮定とも言える)して10x10の方形領域を3x3重ねるパターンを実現したもの。

[1146] 量子化といえば 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 12:02

悪魔の量子化、、、  とかいってみるテスト。(実際にやるには手間がかかりそうですが、、、)

[1147] タトさん 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 12:57

[1118]でタトさんが言われていたように、3x3を削った形などはちょうど領域の中心(正極)が45度に並ぶので正方形中に配置するときに有効だと思います。こういう構造は展開図の発展性を非常に豊かにしてくれるので積極的に使ってみたいと思います。なにより、”誤差があるほうが展開図が刺激に富んで楽しい”という点で魅力的ですし。

[1140]では,10x10の方形領域を3x3重ねるパターン ”5:0:5_(3:3)”のパターンをアップしていただきましたが、これが、領域の中心(正極)が45度に並ぶための、一番実用的なパターンですね。

a:0:c_(d:e)で可能な折線パターンは a':0:c'_(d:e)...a'+c'>=a+c でも同様に折れますので、この図は[1139] の ”3:0:6_(3:3)”の折線パターンの説明に使わせていただくこともできますね。

[1148] a:0:c_(d:e)の折線パターンはa':0:c'_(d:e)...a'+c'>=a+c でも同様に折れること 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 13:07

「a:0:c_(d:e)で可能な折線パターンは a':0:c'_(d:e)...a'+c'>=a+c でも同様に折れる。」
ということは[< a href="2003-03-21.html#1121">1121] のS太郎さんの図が詳しいですね。

[1121] の図は a:0:c_(2:4)...a+c=10 のパターンのしらみつぶしをアップしていただいています。
なお、 a>=a' と書いた場合、この記号は 「aはa'以上」ということを表しています。

[1152] なんちゃってピタゴラス三角形の量子化 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 21:0

三辺の比が 5:12:13 の三角形は直角三角形になっていて、いわゆるピタゴラス三角形です。

ところで、三辺の比が 5:11:12.083の三角形も直角三角形になっています。こちらは三辺の比が整数比ではないのでピタゴラス三角形ではありません。がしかし、誤差0.1以内で、5:11:12 に近似できます。
これは展開図上で、「なんちゃってピタゴラス三角形」として直角三角形のつもりで使用できそう。

「なんちゃってピタゴラス三角形」はこれ以外にも結構あるかも知れないから、意外と便利かも。

[1153] なんちゃってピタゴラスの三角形の種類 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 22:14

なんちゃってピタゴラスの三角形で、実際に折紙設計に使えそうなものを検討してみました。
実はほとんどなくて、既出の 5:11:12 と 7:7:10 以外には使えそうなものは無いという感じです。

そういう意味で、5:11:12 と 7:7:10 は誤差込みということで、適当に選んできたみたいな印象も一部あるかも知れませんが、実は、かなり厳選された辺比を持った特別に便利な三角形だったみたいです。

なお、一応、以下の三角形もつかえそうですが、これらは辺の数が大きくなっているので、実際にはほとんど使うことはなさそう。
11:18:21
11:19:22
16:18:24
17:17:24

[1154] [1153] の訂正 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 22:25

[1153] はうっかり誤差の条件を厳しくしすぎたみたいです。
そういう意味で、5:11:12 と 7:7:10 はかなり厳選された辺比を持った三角形とはいえるのですが、誤差を少々甘くすると、「なんちゃってピタゴラスの三角形はもう少し増えるみたいです。

[1155] 続なんちゃってピタゴラスの三角形の種類 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 22:41

少し誤差の範囲を甘くしましたが、それでも使えそうなものは以下のものしか見つかりませんでした。

5:11:12
5:13:14
7:7:10
8:16:18

[1156] 続続なんちゃってピタゴラスの三角形 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 22:57

誤差0.2まで許すと以下のものが引っかかってきました。
3:5:6は誤差はやや大きいですが、かなり使えそう。

3:5:6
5:10:11
5:11:12
5:13:14
5:14:15
5:15:16
6:9:11
7:7:10
7:20:21
8:14:16
8:16:18

[1157] 30度-60度-90度の直角三角形の量子化 投稿者:めぐろ 投稿日:2003/03/30(Sun) 23:38

三辺の比が3:5:6のなんちゃってピタゴラスの三角形 は
3つの角が30度-60度-90度の直角三角形の量子化になっている。


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