最近になって、折り紙の著作権に関しての議論が活発に行われるようになってきました。創作家や愛好家の数が広がっていることを反映しているのでしょう。私もこの問題に興味があり、少しずつ勉強もしているところです。
これまでの創作折り紙という世界を振り返ってみた時、創作家同士がリスペクトしあえる状況、また創作者と折り手が交流できる状況を作り出してきたことは素晴らしいことです。(もちろんトラブルが全く無かったわけではないでしょうけれど。)
しかし他のさまざまな表現分野の状況を見てみるとどうでしょうか。文化が大きな産業となって関わる人が増えれば、トラブルもまた増えるものです。また、技術や人々の意識の変化に法律が追いつかないことも必然です。そこでは、当然あるべき表現者への敬意がないがしろにされたり、また反対に過度に権利を主張する権利保持者がいたりします。
このような現実を考えると、創作折り紙界という今はまだ小さなコミュニティが今後大きく育っていった時、果たして今のような平和な状況を保っていられるかと考えてしまいます。なんにせよ創作家として愛好家として、折り紙をめぐる状況に敏感でありつづけ、変化に対して柔軟に対応出来るように用意を怠らないでいたいと、そう思います。
さて、ここからは(細かい議論は省略して)私の作品の取り扱いについてのお願いを書きたいと思います。大して作品も発表していないくせに大げさな、と思わないでもないですが、やはりきちんと態度表明しておくのがよいだろうとサイト開設を機に色々と考えてみました。
誤解のないよう強調しておきますが、これは私の個人的な要望です。いくつかの項目に関しては明確な法的根拠は無く、よって拘束力もありません。基本的には愛好家の方々の善意を期待するかたちになります。
当然ですが、他の創作家による作品等に当てはめることもできません。あくまで私の発表した作品の取り扱いに限ります。
2010/7/24一部改訂
有償の行為に利用することはお止め下さい。
具体的には、「折った作品を販売する」「広告・宣伝の素材として用いる」「有料の折り紙教室で講習する」等です。
但し最後の「有料の折り紙教室で講習」に関してはその規模がごく小さいものであるならば、作品使用を次の条件付きで認めます。作者名と出典を明らかにすることと、雑誌『折紙探偵団』の宣伝をすることです(笑)。
作品を商業目的で利用したい場合はご連絡下さい。ご相談に応じます。
無断で新しく折り図を制作することはお止め下さい。
もちろん私的利用の範囲内であれば問題ありません。
折り図に描かれている工程よりも面白く効果的な折り工程を見つけた場合はぜひ教えて下さい。
作品の全ての折り方を不特定多数に対して公開(例えばWEB上で)することもお止め下さい。
折り方の一部であれば、問題ありません(これは掲示板等で折り方に関する質問に答えること等を想定しています)。
折り図のコピーは、私的利用の範囲内でお願いします。
以上のこと以外ならば、私的利用の範囲外であってもご自由になさってください。連絡等も一切不要です。
具体的には、「折った作品を贈る」「折った作品を公共の場で展示する」「折った作品をウェブ上で写真公開する」「折り紙教室・コンベンション等で講習する」等です。その際には、作者名・出典の明示をお願いします。
アレンジ・改造は、折り手の感性のままにどうぞ。
以上です。そんなに無茶な要求ではないと思っていますが、どうでしょうか。なお、私自身の考えも揺れ動いている状態です。ある日突然考えが変わる場合もありうることをご了承下さい。
あなたの好意に感謝します。