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2003/1/21公開

馬

馬

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作品情報

解説

 「リス」を作ることで見えた方向性を、もう一歩進めてみたいという考えが念頭にありました。紙の面を意識した造形だとか、仕上げに当たる折りをなるべく排し、展開図的な面白さと造形が一体となっているような作品であるとか。

 この頃は(今に比べると)このような折りの「スタイル」が作品にどういう意味を持たせるか、まだよく分かっていませんでした。ただ、イメージとして「吉野さんの作風を前川さんの態度でやる」というようなことを思い描いていたと思います。

 実際に作品がどのように出来ていったか、おおまかな過程は『折紙探偵団』58号でも書きましたのでここでは省きますが、割合トントンと進んだというか、それまでに蓄積した知識や経験を素直に活かせたような気がします(紙からもらったアイデアも多かった)。完成した時はかなり興奮しました。作りたかったものが自分の予想を超え、形になる喜びは本当に何ものにも換えがたいです。

 そして本当に方向性が見えたというか、こういうのを作っていきたいと思って現在に至ってます。しかし、それからというもの急激に創作ペースが落ち込んでしまっているという現実があり、ひょっとすると考え過ぎなのかなあ、と自分でも思ったりします。あまり最初にプランをガチガチに固めてしまうとその分イレギュラーな事態が起こりにくくなる、ということかもしれません。

 自作の中でも、構造・造形・工程のトータルバランスが取れていて良いと思っています。特に、中盤の後ろ足を折り出す工程は、リズミカルかつ意外性があって、私の理想に非常に近いです。本当に、いつもこのくらいにまとめられればいいんですが‥‥。