これは、割とはっきりとしたイメージを固めてから作り始めた作品です。パンダは折り紙ではポピュラーな主題ですので、新しい切り口を模索するために過去にある作品を検討して、そこからイメージを膨らませていきました。
具体的には「首がはっきりとあり、なおかつ首には紙の端を出さない」こと。当時あったパンダ作品ではあまり表現されていなかったと思われるこれらの要素を軸においています。
座っている格好にしたのは、当時、再現性を高めるための一環としてカドをなるべく折らずに作品を大きく仕上げることを考えていたので、その影響もありました。自然、構造もシンプルな方向に向かい、前作のみみずくを立体化する手法を流用しつつ、完成しました。まあ「手法」というほどのこともないですけど、みみずくがあったからこそ自然にアイデアが浮かんだという感じですね。
模様の折り出しはなるべく実物と同じようにしたかったのですが、目の回りの模様に関しては複雑になるのを避けたかったこともあり、折り紙としてまとまりのいい形で落ち着きました。そんなに違和感もないだろうと思っていますが、パンダに詳しい方にとってはどうなんでしょう？ 狸って言われてしまうかも‥‥。
首の後ろの造作が目立ちすぎることに関して何人かの方に指摘され、私も十分承知している点なのですがあえてこれ以上いじらずにおいています。個人的な好みで、沈めた形にするのもいいと思います。