ポニー / Pony

2004/7/6公開、2006/1/6解説を加えてここに移動

ポニー

ポニー

ポニー

作品情報

解説

 久々の「向こうからやってきた」作品で、デフォルメの利いたデザインは予め意図されたものではありません。前作の「日本猿」とデザイン上の脈絡がほとんどなく、せっかくリアルを追求してみるか!と思ったのに、水を差されてしまったような気もします(笑)。そんな中、唯一ある日本猿との共通点は、足を単純な22.5度のカドで折り出していないことで、これは最近の密かなテーマとして、現在もいろいろパターンを研究している最中です。

 デフォルメですが、どことなく「2枚組み時代」を彷彿とさせるところが、訳もなく気に入っています。特に頭部の見立ては作品が成立する決め手となり、『をる』版西川トラの基本構造からわずか3工程で馬の顔になる、という発見がなかなか感動的でした。

 旧作の馬と全く同じカド配置という点も、面白い偶然です。同じカド配置・同じテーマでここまで雰囲気の違う作品になる‥‥しかも同じ作者が似たような方法論で作っているわけですから、折り紙造形の可能性を垣間見られるサンプルとしても見ることができるかもしれませんね。

 しかし、作品が自立しないところは不満です。後足と尾の3点で立たせられれば良かったのですが、ちょっと無理でした。かと言ってこの前足を上げたポーズを崩すのも、せっかくの素の構造を台無しにしてしまうためにできず、結局、台をつけるという選択になりました。

 なお、当初「馬2004」という題で発表しましたが、折り図発表の際に改題しています。