タツノオトシゴ / Sea Horse

2012/1/1公開、1/4写真差替、1/5微修正

タツノオトシゴ 1/3

タツノオトシゴ 2/3

作品情報

解説

 辰年ということでタツノオトシゴを折りましたが、思いのほか苦労しました。タツノオトシゴはカド配置としてはシンプルに考えられる反面、表現はどうとでもなりそうで、そこが悩ましいのです。

 イメージを練るうちに、頭のイメージは、用紙のフチがモデルの腹方向に来る〈腹割れ〉タイプ、胴体のイメージは、用紙のフチがモデルの背中方向に来る〈背割れ〉タイプで見えてきたので、基本形を折ったあとに首のところでグルッとねじって仕上げる、通称〈ブリル式〉の構造となっています(写真は2体で違う向きにねじっていますので、表裏の形状の差を見比べてみてください)。1980年ごろにデビッド・ブリルさんが「サイ」「ゾウ」などの作品で使った技法で、近年の有名どころでは、神谷さんの「龍神」も同様の構造になっています。

 私も、以前からこの背割れー腹割れの変換をもっと構造に組み込んで使ってみたいと思って、牛を試作したりしているのですが、まだ作品としては結実していません。この作品は、本当に単純なかたちでねじっただけですが、その部分が造形上不自然に見えないようにしようと、地味に検討してみました。どうでしょうか。

タツノオトシゴ 3/3(〈ブリル式〉の説明)

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